鯨を飲む

くうねるところ のむところ

まるくて白い

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昨晩の様子。

2種類のスポンジと無花果のたくさん詰まった おおきな白いドーム。まんまるで すべすべで 豊かなうつくしさ。本当はてっぺんにも切った無花果がみっつ乗ってあったのだけれど、写真を撮るのを忘れてしまった。それほど はやく食べたかったということ。

穏やかで なごやかな夜だった。鮪と蒸し海老、甘海老、鯛、いくら、鰻、穴子、蟹、サーモンと目を剥くほど具沢山であでやかな海鮮ちらしに あさりとわかめの赤だし。そしてケーキ。祖母がひそかにずっと飲みたがっていたタピオカもすこし。

誕生日の祖母にはピンク色のあいらしい小花柄のハンカチと森下典子のエッセイを贈った。8月の旅行中に彼女に差しあげたものの続編にあたるもの。私が以前あげた本は今、祖母の周囲のおばあさんグループの間で次々と読み回されているのだという。

それを聞いて、私の胸はときめいた。素敵。私の部屋の本棚に留まらず、あまたのひとびとの手に渡っていくなんて、本当に素敵。私のかばんの中にあったあの本が 今はちっとも知らない家に置かれているのを想像する。

 

思わず「ありがとうね」と言うと、祖母は不思議そうにくすくす笑っていた。