鯨を飲む

くうねるところ のむところ

金曜日の雨

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木曜日から急に冬の気配が迫ってきた。夜、眠るときに冬用の布団をかぶりながら扇風機を回す必要もなくなってしまった。台風が接近しているらしく、今日からしばらくは雨が続くのだと気象予報士は繰り返す。

朝からとめどなく雨が降りしきり、街を覆う空気ごと冷えきっていた。それにしてもどうして金曜日ばかり雨が降るのだろう。ここ暫く、雨といえばきまって金曜日なのだと辿った記憶が教えてくれる。黒いレインブーツで気にすることなく水溜まりを踏みながら、寒いのか暑いのかよくわからない気持ちでいた。

湿気で髪がうねったり、空腹を抱えたりしながら、そのまま家へ帰ればいいものの何となく気が済まず書店へ寄って文庫本を買った。持ち歩いていた文庫本を読み終えてしまったので補填も兼ねて。空腹を抱えすぎていたせいで、うっかり食べもの系の短編集を手に取っていた。これでは余計に苦しむだけなのに、私には自分のことが結構だいぶとわからない。お陰で夕食へのモチベーション(おいしく食べるぞという気持ち)が上がったことだけは確かだった。

 

手頃なノートが欲しかったので、ノートも手に入れた。とにかく軽くて、なにより手触りが抜群によい。はっきりとした黄色も素敵だ。私には黄色い小物に惹かれる習性がある。暮らしの中で覚えたり調べたりした言葉を書き留めるのに使うつもりだ。