鯨を飲む

くうねるところ のむところ

スープという寄る辺

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何が食べたいかよく分からない/何を食べたらいいのかよく分からないとき、スープストックがあって本当に良かった、と思う機会が幾度とある。ときどき私は街のど真ん中で、本当にどうしたらいいか分からなくて立ち竦んでしまうのだが、そういうとき確実に寄る辺になってくれている。

調子のよろしくないときに限った話ではあるが、同様のことが例えばスーパーマーケットでも起こりうる。商品が連なりすぎた背の高い棚に囲まれていると、「決めなくては」という圧迫感に駆られてしまい気持ちが滅入ることがある。混乱というものがとにかく苦手だ。だからこそスープストックは困ったら向かう場所のひとつになる。なにせ最初からスープしかない。たまにお粥があったり、常にカレーがあったりはするけれど。

もっとしっかりとした食事(と言うと、まるでスープが杜撰な食べものみたいで良くない。そんなことはまるでない。だから正確には「もっとしっかりとボリュームのある食事」である。)では手を余してしまうようなときでもスープだと丁度よく身体に収まってくれる。スプーンで食べることができる という点も私にとっては魅力を感じる。

クレソンと肉団子の入った黒酢の中華スープを食べた。食べきることに苦戦したが、今日の自分の胃の容量はこのくらいなんだなと考えることにした。気落ちする必要はさほどない。中華スープにパンが浮いているのを見るのははじめてだったが、味が濃くて にも関わらずさっぱりとした口あたりでおいしかった。夏バテをしないためにもぼちぼち食欲を取り戻していくぞと意気込んで店を後にした。

そういえば朝から髪を染めた。このところ赤みのあるブラウンがちだった髪を一新し、結構暗くしてみた。暗いのはあまり似合わないと決めつけ続けた数年間だったが、意外としっくりくるのでは?実際、とても綺麗に色を入れていただいた。この髪色ならシルバーのアクセサリーも似合いそう と嬉しくなる。嬉しいついでにアクセサリーも新調した。アクセサリー類のことをお守りだと思っている。このところ何かにつけてアクセサリーが増えているのは、だからそういうことなのかもしれない。……いいえ、やっぱり単に言い訳が欲しいだけかも。暮らしには工夫が必要なのだと嘯きながら生きている。

シルバーの指輪とバングルを新調した。指輪は一部が硝子でできているデザインのもので、硝子の部分が透き通って光を反射するさまがしゃぼん玉みたいで見蕩れて選んだ。夏の盛りにこれらを着けているところを想像すると嬉しい気分になる。

 

ようやく薬が効いてきたのか、あるいはたまたまそういう日だったのかはわからないが今日は調子がよい方だった。前者であってくれると有り難い。週末には楽しい予定がある。月末にはシャチを見に行く。胸が踊るね、どれもこれも。だから健やかでいよう。それにしてもこの日記はつくづく不調時のメモめいている。可哀想な使い方をしていると思うが、まあいいか。ここは私のための場所なので。