鯨を飲む

くうねるところ のむところ

聖なる夜に

f:id:kurolabeloishii:20191225082812j:image

「クリスマスイヴだからプレゼント交換をしない?」と誘ったところ、昨日は朝から友達と通信をして、ポケモンの交換会をした。気がついたらとっくに昼を回っていて、お互い用事をするべくゲームを閉じる。彼女はクリスマスディナーの食材を買いにスーパー、私はケーキ屋さんへ。クリスマスのケーキ屋というものがとにもかくにも、しみじみとすきだ。相変わらず洗練されたデザインの、きらびやかなカットケーキが並んでいる。赤と緑と金。クリスマスは豊かな色をしている。

ホールのケーキを受け取って、崩れないよう気をつけながらヒールを鳴らす。いつもより慎重でちいさなそれを聞いて、幸福な靴音だと思った。夕方、クリスマスのケーキ屋に行くといっきにスイッチが切り替わって、身体の隅々までクリスマスだという感じになる。この瞬間がすきなのだ、とても。

f:id:kurolabeloishii:20191225133148j:image

食事とケーキを食べ終えて、妹とプレゼントを交換する。私から妹はクレドポーボーテの赤いグロスとねこの写真集。偶然彼女が着ていたパープルのスウェードと、ラッピングのリボンが同じ色をしていた。ほどいたリボンで自分の髪を結いながら、彼女はうんと喜んでいた。ちょうどグロスを切らしていたらしい。妹からはうつくしいアイシャドウと、レシピ本を貰った。アイシャドウは私がよく見るお店のもので、ちいさくてミラーもついているから持ち歩くのにもうってつけ。レシピ本は彼女が書店を巡って中身を見、一番よいと思ったものを選んでくれたのだという。散々はしゃぐ私たち。ぴかぴか光るクリスマスツリーの飾り。空っぽになったケーキの箱。

「誕生日プレゼントももう決めてるんだ」と妹が言う。私の誕生日は3月なわけで、随分気がはやいのねと言うと、クリスマスより誕生日のプレゼントが本命だから楽しみにしていてと笑って返された。楽しみ。私たち姉妹がクリスマスにプレゼントを贈り合いはじめて、もう10年以上が経つ。愉快なことがすきなのだ。

 

今年のクリスマスはとても暖かい。年末なのにあまり寒いとは思わない。じりじりと年の終わりが迫っている。おだやかに締めくくりたいものだ。そしておだやかな気持ちで新年を迎え入れたいね。