鯨を飲む

くうねるところ のむところ

あたたかな浴槽の中で

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とにかく寒い。私は毎日のようにバイクに乗るけれど、あまりに風が冷たいので、とうとうコートではなくスノーウェアを着てゆくようになった。

寒がりだし、ものぐさだし、大雑把だし。どうにも私は冬に向いていない性分の気がする。それでも冬になると当然寒いわけで、寒いと長湯が捗ってくる。入浴がかなりすきで、特に私は風呂の中での読み物に対して、並々ならぬ愛を抱いている気がする。私はもうずっと、それこそ軽く10年以上は ほぼ毎日のように風呂で本を読んでいる。紙が悪くならないのか だとか 湿らないのかだとか よくひとから言われることがあるけれど、今のところそう深刻な状態には至っていない。せいぜい、うっかり栞を湯船に落としてしまうくらいのものだ。

お湯(しかもあたたかく、入浴剤も入っている)にゆっくりと浸かるというだけでも極楽なのに、そこに本が加わればもう最高になってしまう。入浴中にはたいてい、すぐにページを閉じられるように短編集やエッセイを選ぶことにしていて、なので私の暮らしにはこれらが欠かせなくなっている。うっかり中編や長編を持ち込んでしまえば、出るのが遅いと家族から抗議を受けてしまうから。

浸かりながら読んで、あつくなれば浴槽のへりに座って読んで、風呂からあがれば脱衣場で、ドライヤーをする前にもすこし読んで。そういうことを 夏よりもずっとゆったりとできるという点において、冬はよい。

 

今日は無性に鯖が食べたくなって、昼食は食堂で鯖の味噌煮とほうれん草の胡麻和え、甘くてひんやりとしたたまご焼き、味噌汁、お米を選んだ。いつ食べても鯖の味噌煮はおいしくてすき。そして身体にもよい。

海を隔て、寒い土地に住む友人と、LINEで31アイスクリームについて語っているうちに、小雨が降っていた。すぐそこに迫った構想会の支度をしつつ、息抜きに短い文章なんかも書きつつ。本当はずっとそういう風に暮らしていたいけれど。予定より随分と長くなったこの生活も、もうあとほぼ1年くらいになっている。