鯨を飲む

くうねるところ のむところ

果てがない

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プラスチック容器にぎっしり入ったプチトマトを食べてばかりいる。洗ってヘタを取ればそのままひょいひょい食べられるのでとてもすき。夏になるとおやつにもトマトを食べてしまう。つやつやの赤は可愛らしい。

夕方になると網戸にしてある出窓から涼しい風が入ってきて、窓の方はどことなしに暖色の光があってよく眺めている。風でカーテンのレースがふわふわとするたびに向かいの家の瓦屋根が見えていた。今日は朝から体調がすぐれず、気持ちも停滞していたけれど、机に向かったとき左側から漏れ出すぼんやりとした光に、私はたびたび励まされている。

明日には頼んでいた本が届く。本は自生しているから、気を抜いているとすぐにぽこぽこ生えてくる。先日、妹から「そのお金で本じゃなくて本棚を買うべきでは?」という至極真っ当な意見をもらった。あなたが正しい。ステイホームがちだったこともあってよくAmazonを利用するようになった。Amazonの欲しいものリストをようやく駆使できるようになり、これは本当に便利だなあと日々感心している。とにかく読みたい本やらなんやらを詰め込んでは元気になっていた。人生のすべてを使っても読みたい本のすべては読めないし、行きたい場所のすべてには行けないということを たびたび、ふと思う。その都度私は何となくワクワクするような、ゾクゾクするような とにかく元気になってしまう。果てがないっていいな。私はそういうもののことがすきだな。 何処へでも行けて、何処も行けないということ。私たちは何処かに行かなくたっていいということ。