鯨を飲む

くうねるところ のむところ

雨の降らない朝

f:id:kurolabeloishii:20200718200136j:image

f:id:kurolabeloishii:20200718214614j:image

長く続いていた雨がようやく落ち着きを見せ始めている。

朝にはじいじいと蝉が騒がしくて、顔を顰めながら目を覚ます。じっとりと肌を覆うような熱。夏が始まっているのだなあと感じる。長い雨が終わって、久々に街に繰り出す。昨日の話だ。家の中で完結した暮らしばかりをしているわけにもいかない。用事を済ませ、帰りにふらっと立ち寄った店でガラスケースを見つけた。思わずうっとりとする。海外の壁紙を買い付けて、デザインに用いているらしい。特にミントグリーンの色合いがうつくしいのはドイツのもの。別にガラスケースにもペンケースにも困っているわけではなかったけれど、すこし迷ってレジへと向かった。必要とか不必要じゃなくて、心の動くままに行動するということは、大切なことだと思う。ときめきに従う瞬間をあいしている。お金は尽きるものだし、いつもというわけにはいかないけれど、たまにはね。

 

今夜、音楽番組を観ながらソファの上に腰をかける。言葉にしようかどうかを悩んでいることがある。人が亡くなったとき、多くの人が悼む。けれど1週間後にその話をしている人は限りなく少ない。長く悲しみ続けて欲しい訳ではなくて、寧ろそんなことは絶対に望んでいないのだけれど。それでも、インターネットのそんな様子にもうずっと戸惑っている。(もしかしたら言葉にしないだけで、胸の内で悲しみ続けているだけかもしれないけれど)だから自分が言葉にしてしまうことにも悩んでいる。触れてしまっていいものなのか、と。死への触れ方が未だわからない

それでも。そのときに感じた悲しみや苦しみや、淋しさを。そのときに言葉にするということの大切さを思い出していた。大切で、それを蔑ろにしてしまってはいけないなと思う。彼の演じる姿が好きです。淋しいと感じています。とても。