鯨を飲む

くうねるところ のむところ

2019-01-01から1年間の記事一覧

よい柄のポーチを新調した

この時期になると、街の隅々にまで夏が侵食していて 見つけるたび嬉しくなっている。これはこの夏の中で今のところもっとも夏を詰め込んでいる自販機。涼やかな白と青、ソーダの響きに当然のように足を止めてしまった。 自販機がすきだ。四角くてかっこよく…

窓、カーテン、光

おおきな窓がある部屋で暮らしている。ベランダに繋がるそれはぐんぐん西陽を取り入れるから、洗濯物はよく乾くけれど夏場は暑くて敵わない。特に8月なんかは酷いありさまだ。熱したフライパンの上に落とされているような心地で毎朝目を覚ます。 おおきな窓…

アルバムとぺろぺろチョコ

ひとまず為すべき仕事を片して、ひと月ほどの休みを迎えている。じっくり身体を馴染ませていくのも大切だし、冗長性と仲睦まじくなるためのひと月だと思っているけれど、それでもぼーとしている間に秋を迎えることはちょっとなんだか、あんまりに思う。せっ…

宝石の断層と詩集

6月の終わりに書き足した「やりたいことリスト」のひとつにHARBSのミルクレープを食べるというものがあった。ので、それに従ってみることにした。喜び勇んで店内に入ったら、昨日から何度も舌に馴染ませておいた「ミルクレープ」の一言を伝える。夕方には病…

夏を食べる

冷蔵庫みたいな満員電車に揺られながら、他人の素肌との接触に顔を顰める暮らしを捨て、代わりに気楽なバイク移動へシフトしてはや4ヶ月。その代償に今、私は照りつける太陽の光の 暑さと毎日のように闘っている。あまりにも暑いものだからとうとうすいかを…

推したいときには推しがいなくなってしまっていたときの話

今年も某アイドルのライブへ行ってきた。 元はと言えば妹がハマっていたグループだったが、やがて母がハマり、今となっては母は我が家で誰より熱心なファンだ。 母は昔からとにかく無趣味な人間だった。加えて出不精なものだから、幼いながらに「このひとは…

フルーツサンドと入道雲

リュックのときにフルーツサンドを買うのは絶対にだめ。こんな風にぐちゃとなってしまうから。なのに私は毎回そのことを忘れて買ってしまう。それでも変わらずにおいしいフルーツサンドってば本当に優秀。尊敬しちゃうね。 この夏を休むことに使うことになっ…

夏の支度

気持ちよく夏を迎えるために髪を切った。それも美容師さんに完全お任せで。私は髪を切るのがすきだ。しかも毎回、結構な長さを切る。同じ値段なら多く切る方が良いように思うというセコい思考があることも事実だし、単純に髪を伸ばす気概がないのも事実だし…

本を読んでいる

「あなたの作品に思い起こさせられる小説がある」と言って一冊の本を薦められた。ので読むことにした。驚いたのはこの本に出てくる台詞が一言一句、私の思うことと同じだったことだった。 「トラウマという言葉を笠に着て、僕は誰よりも傷ついてるんですと主…

雨とページを捲る音

せめて今週くらいは可能な限りゆっくりしようと決めての一週間だった。可能な限り休んで、可能な限り頭と身体を使わない。だから平日の真昼間からラーメンと餃子を食べたり映画を観たり、京都まで足を伸ばして器まで氷でできたかき氷を食べたり、それだけじ…

レモンチェッロと破れた背表紙

このところ、どうにも具合が良くないのでどうにかしようと試みた結果 ふと枕元を整理してみた。せっかくだからと、一等大切にしてきたものを並べてみる。金木犀の香りの香水、甘いバニラのボディクリーム、人生で初めて買ったフランスのトワレ、300円のガチ…