鯨を飲む

くうねるところ のむところ

2020-01-01から1年間の記事一覧

すっぱさを取り込む

トマトを丸々ひとつと、みじん切りにした新玉ねぎをオリーヴオイルと米酢、塩胡椒と僅かながらのきび糖とを軽く混ぜてマリネばかりをこさえている。薄くスライスしたトマトを食べるよりもなんとなくちゃんとしているような気がして、精神的にもやさしくて気…

息を吐く

宇多田ヒカルの「time」を聴いている。このところはもうすっかりそればかりだ。今週は何よりまず自分の調子を整えることを優先すると決めてから、今日は最近あまりつけていなかった香水をつけてパソコンへ向かう。これから作業をする前に、自分なりの合図と…

眼科へ行った日

朝から眼科へ向かう。最後に受診したのは数年前だった。目に空気をあて(未だに怖いので苦手)、視力をはかり(眼鏡やコンタクトがないと笑えるくらい何も見えない)、診察室へ。ものもらいだと思っていたのだけれど、どうやら違うらしく霰粒腫なのだと先生は言…

空腹を抱えて寝転んだり

立夏らしく、じっとりと暑い1日だった。私の部屋には壁一面ほどの大きな窓があり、西陽がよく入ってくる。おかげで夏が近づくと空気が少し重くなる。 謎解きのゲームで友人と遊んだり、家族のロードバイクを借りたりしてGWを過ごした。今日は骨盤矯正のクッ…

良い茶葉、そして謎解きの夜

パヤパヤ虫を避けながら散歩をしたり、川沿いを走ってみたり、ストレッチポールと戯れたり、ベッドの上で伸びをしたり。肩を凝らしたり、目を疲れさせたりしながら暮らしている。ゆったりとしていると言えば聞こえはいいけれど、時間の流れがどことなくぎこ…

風の強い日と花

昨日も風が強い日だった。干したままの洗濯物が何度も窓をべっしんべっしんと叩いている。タスクを終えた夕方、走るような気分ではなかったから散歩にでかける。気に入りの音楽を聴きながら住宅の間を縫うように歩いては、川べりや小学校の裏へも進んでゆく…

風が吹きつける窓の外

風が一際つよく吹いている。4月も末だというのにこの頃また寒くなりつつあって敵わない。忙しいのかそうではないのかよくわからない日々の中で、思いのほか元気にやっているように思う。最近の楽しみは新しく迎え入れたノートになにを書こうかと考えること。…

女の子たち

春用のワンピースや、籠のように編まれた白いパンプスをろくすっぽ身につけないまま、気づけば葉桜の季節になっている。僅かながらのジョギングのさなかに見かけて、やや切なくなってしまう。 在宅での暮らしが続いている。今日はzoomを使っての会議があった…

巣で暮らす

妹のつくってくれるあおさ入りのたまご焼きや、ジャージャー素麺や、にんじん、きゅうり、茄子、玉ねぎ、鶏ササミがごろごろと入ったキーマカレーや、ふわふわのフレンチトーストとカリカリに焼いたベーコンなどを食べながら暮らしている。昨日のおやつは手…

ちいさな街

なんとなく身体を動かしたくて、朝から散歩にでかける。よく晴れた土曜日。街にはあまりひとの姿はなかった。まばらに車が行き交っていて、小学校の前の文房具屋はシャッターが降りている。公園のそばを通るとさっそく桜が咲いていて、思わず歩くスピードが…

柑橘類の皮を剥く

昨日からすこし寒い。東京では雪が積もるところもあったらしく驚く。こっちはただ寒いだけ。お気に入りの赤いマグに紅茶をいれて飲んだ。 今日から再び中国語の勉強を始めることにした。大学時代、2年ほど中国語を履修していたもののそれももう随分と前の話…

ミモザ、チーズ、そしてやさしさ

日曜日。三連休の最終日だというのに、街や駅は平日のように空いていた。自粛によるものなのかどうか一概には言えないが、経済的な打撃の跡をまざまざと突きつけられる。この日は友人とお茶をし、映画を観、それから食事をした。彼女と私の誕生日祝いを兼ね…

随分あたたかくなりまして

春になると毎年必ず鈍臭いミスをおかしてしまう。気が抜けているのだと思う。今日がまさにそれで、今まで通りおおきな損失があるわけでもなく、ただ時間と労力が溶けてしまっただけの話だった。致命傷にはならないけれど、紙で切った指先はまあまあ痛い。そ…

丁寧さが欲しい

雪のようなものがちらついた、指先が凍るように寒い日。多くの すきなものに囲まれた誕生日だった。以前から欲しかったアイシャドウパレットと、春にふさわしい賑やかなワンピースを手に入れた後、デパ地下でパフェのようなケーキを買う。夜には平目のムニエ…

綺麗なものの話

ホワイトデーのお返しを沢山もらった。お菓子とお酒。フルーツ酒なので可愛げがある。甘いお酒だからお菓子を食べるときに飲もうと思う。夜、妹がすこしはやめの誕生日プレゼントとしてリップをくれた。春にぴったりの明るい色。6店舗も探したらしく、それだ…

カラメルソースと謎の肉

昨日は午後からよく晴れた1日だった。待ち合わせていた友人たちの到着が大幅に遅れていた。よくあることだし、ひとりで時間を使うことはなにも苦ではないので、勝手にそこらを歩き回ることにする。知らない土地だったけれどそばには随分と長い商店街が構えて…

口を大きく開けてみたり

気づけば3月になっていて驚いてしまう。この頃はさすがに気忙しくて、うっかり迷走してしまいそうになったりもして、けれどなんだかんだ落ち着くところに落ち着きそうな予感がしている。今日は歯医者に行って抜糸をした。4針縫っていたので、その糸をするす…

歯を抜き終えたので

親知らずを抜いて2日が経とうとしている。寝て起きるたびに少しずつ腫れが引いていて、睡眠こそが最大の薬であるということをひしひしと感じている。下を向くと痛みがあるから、まだあまりなにかを読んだり書いたりすることが辛い。ときどき思い出したように…

髪を染めたから次は歯を抜く

土曜日に髪色を暗くした。暗い色が本当に似合わないけれど、カットのおかげで思っていたよりはずっとよい気がする。何軒もの美容室を渡り歩いたのち、今ではすっかり行きつけの美容室に辿り着いた。美容室にはいつも一冊の文庫本を持って行くので、たいてい…

映画館とサワークリーム味

改めて思うけれど、今年の冬は暑すぎる。夜は冷えるからつい忘れがちだけれど、出かけるたびに痛感して、後悔する。ああ今日もコートを間違えた。一体あと何度繰り返すのだろう。戒めのためにも、今度こそしっかりとブログに書いておく。そうでもしないと多…

まっとうした灯り

喉というか首というか、とにかく痒くて仕方がなかった。とうとう湿疹がでてしまったので病院の塗り薬を使ったところ、なんとか痒みは治まりつつある。あとは赤みが取れればよい。 今朝、小学1年生の頃から使っていた学習机のライトがとうとう切れた。こうい…

星など見えなくていい夜

もう1箱、チョコレートを買った。数年前にインターネットで見かけた、うつくしいチョコレート。当時の私はまだチョコレートを苦手としていたわけだけれど、それでも良いものは良いし、素敵なものは素敵に違いなかった。念願叶って私の手の中にあるそれを眺め…

チョコレート・ライフ

5日以上ブログを空けたくないと思いながら、そうもいかないときもあって、一抹の悔しさみたいなものを感じながら。 チョコレートを食べている。ほんの2年ほど前までは、苦手どころかこの世でもっとも毛嫌いする天敵でさえあったというのに。昔からとにかくチ…

読んだ本について

レベッカ・ブラウン(柴田元幸訳)の『体の贈り物』を読み終えた。 洗練された文章で、淡々と、けれど滲みるようにそれは描かれていた。末期のエイズ患者と、彼らを支援するホームケア・ワーカーの物語とだけ書いてしまうと、酷く陰鬱としたもののように思える…

映画館と寿司屋、そしてモール

コンタクトを入れて、化粧をして、ピアスをつけて、街に出る。今日は困るくらいによく晴れていて暖かい。陽射しは柔らかだし、風も優しくて、チェスターコートを邪魔に感じた。 電車に乗り、映画館へ向かう。近所の映画館と違ってTOHOの椅子はやわらかいし、…

まぁるい日々

撮り溜めていたドラマを消化して、ビールを飲んだ翌日は、寒々しい雨だった。雨は朝から降っていて、バイクを走らせるのは諦め久々に電車を使う。木曜日は帰りが遅くて、荷物も多い。何もそんな日に雨じゃなくてもと、やや萎えるけれど、電車での移動にもち…

酔う夜に文字を食む

冷え込んでからというもの、急にシルバーのアクセサリーを好み始めた。どれもこれも華奢でシンプルなものばかりで、ニットに合わせると首周りが大変かわいくてよい。中でも数年前、母から譲り受けたティファニーのネックレスを気に入っている。最近思い立っ…

気だるげな白

真夜中の高速道路でタイヤをパンクさせるところから始まった3連休。なにかを踏んでしまったらしく、タイヤは散々な姿になっていた。業者の方に引っ張ってもらって一夜を越し、幼稚園の頃ぶりくらいに朝マックを食べた。パンケーキとハッシュドポテト。どちら…

デパートにて、生存戦略

新年早々、わかりやすく体調を崩していた。父はインフルエンザに、妹は喘息、私は風邪と体質による不調のダブルパンチを喰らった。扉が完全に閉ざされた家の中はひっそりとして、つめたい感じがしている。部屋の中でもくもくとたき続けられる加湿器。カーテ…